姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第208章 沈黙と回避

夜。

病室でのことだ。

VIPフロア特有のほのかな芳香が、深夜の静寂の中で無限に増幅されていく。空気の一粒一粒が氷水に浸されたかのように冷たく、漂う香りさえも、この瞬間は重苦しく感じられた。

西園寺希美はベッドに横たわっていたが、瞳はずっと開かれたままだ。その呼吸は、聞き取れないほどに浅く、静かだった。

VIP病室のベッドは広い。以前、一人で寝ていた時は、この部屋があまりに広大で空虚に感じられたものだ。内装こそ病院らしくない豪華なものだが、枕元の医療機器が絶えず電子音を奏で、ここが病院であることを冷酷に告げ続けていたからだ。

だが今、神宮寺蓮が隣に眠っている。

規則正しい寝息。ナ...

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