第1004話あなたは私を脅すことはできません

『監督』は黙ったままで、『カット』をかけなかった。

この役を手に入れるため、シェリルは続けるしかなかった。「よくも私をビッチ呼ばわりするなんて！あんたこそビッチでしょ！コナーと私は真実の愛で結ばれてるのよ！」

そう言いながら、シェリルは主演女優に反撃し、二人は取っ組み合いを始めた。

「よし、カット」と、『監督』が突然言った。

シェリルが主演女優を殴りそうになるのを見て、クリスティーナは『監督』に『カット』をかけるよう合図したのだった。

シェリルはすぐに動きを止め、立ち上がると服と髪を整え、嬉しそうに『監督』のもとへ駆け寄った。「監督、今の私、どうでした？この役、きっといただけますよね...