絶色の香り

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第354話

恐ろしいほどの実力だと感じた。彼の恐ろしさは、次に何をするのか、次にどこに現れるのか、決して予測できないところにある。

白さんの血はずっと流れ続けていたが、誰も前に出る者はいなかった。しかし数分後、龍江は側にいる兄弟の一人に言った。「もういいだろう。これ以上放血させたら、お前たちの白さんは死んでしまう。病院に連れて行ってやれ。だが救急車は呼ぶな、目立たないようにな」

その男は一瞬戸惑った後、白さんを支え始め、龍江が本当に何も言わないのを確認してから、彼を車に乗せた。

「龍江、覚えておけ。お前は今日やったことの代償を必ず払うことになる」

龍江は車のドアに寄りかかり、白さんに言った。「お前...

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