絶色の香り

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第295話

「俺の所ではそんなに気を遣わなくていいよ、全く必要ないから。本当に話がまとまったら、食事でも奢ってくれれば十分だ。そんなに複雑な話じゃない」と龍江が言ってくれた。

「わかりました、必ずそうします」

白爺に会いに行くことを張芸に伝えると、彼も驚いていたが、会うことには賛成してくれた。今思えば、彼はあの小培という女の子にすっかり参っていて、絶対に私心があるに違いない。

夕方近くになって、龍江と一緒に車に乗って市の中心部へ向かった。この時初めて気づいたが、彼は私が想像していたよりもずっと裕福だった。他のチンピラとは違い、金も頭も持ち合わせた人物で、うちの学校の連中とは全く違っていた。

道中、...

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