絶色の香り

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第170話

車に担がれた瞬間、俺はもう終わったと思った。きっと仕返しに来たやつらだろう。

俺は袋を被せられたまま車に担ぎ込まれ、どれだけもがいても逃れられなかった。男たちは一言も発せず、俺をトランクに放り込むと、車はひたすら走り続けた。

あの時の後悔といったら——張暁晴に弄ばれたのはまだいい、こんな目に遭わされるなんて。もし俺を縛ったやつらが本気で命を狙っているなら、この先、死までそう遠くないだろう。

実は志成のことがあってから、自分は死を恐れていないと思っていた。だが、今こうして死が目前に迫ると、やはり怖くなる。人間とはみんなこんな矛盾した生き物なのかもしれない。

トランクに横たわりながら、何も...

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