第868話途方に暮れた

サスキアは深呼吸をした。「大会が始まるわ。自分のスキルを活かして、行けるところまで行くつもりよ。たとえ勝てなくても、後悔はしないわ」

そう言って、彼女は踵を返し、歩き去った。

大会はすぐに始まった。そして、噂のせいで、観客はサスキアを軽蔑の目で見ていた。

動じることなく、彼女は訴訟書類を手に堂々とステージに上がり、依頼人を弁護する準備を整えていた。

「被告人は、口論の最中、加害者がまだ行動可能であったことを示しました。暴行は終わっていなかったのです。安全を確保するため、被告人は攻撃を防ぎ続けました。これは過剰防衛には当たらないと考えます」

相手方の弁護士が咳払いをした。

「検死官の報告に...

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