第853話病気になったら

サスキアは涙をこらえなければならなかった。

久しぶりに会ったアザレアを見つめる。

ふと、アザレアの顔立ちが変わっていることに気づいた。サスキアは目を見開き、彼女の腕を強く掴んだ。「あなたの顔、どうしたの? 火事だったの? 痛む?」

アザレアは自分の顔に触れ、うつむいた。

自分の顔のことなど、もうどうでもよかった。

命に比べれば、新しい顔など大したことではない。生きているだけで幸運なのだ。

いつもそう思ってはいたものの、サスキアの心配そうな問いかけを聞いて、一瞬、目頭が熱くなった。「痛いよ、サスキア。本当に痛いの」

こんな痛みは今まで感じたことがなかった。

火事は耐え難いほど苦し...

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