721話

デジレーはダリルを笑っていただけでなく、何度も何度も間違った人々を信じてしまった自分自身を笑っていた。彼女は言った、「信頼は他人がくれるものじゃない。自分で勝ち取るものよ。行きなさい。そんなに簡単に人に頭を下げないで。本当に、こんなことしないで」

「デジレー!」ダリルは再び手を伸ばし、彼女のコートの裾をしっかりと掴んだ。彼は少しも力を緩めることなく、強く握り締めていた。もし手放せば、デジレーを永遠に失うことになると恐れていた。そしてその喪失は永久的なものになるだろう。

「帰って。これからは、あなたにはあなたの人生があるし、私には私の人生がある。前にもはっきり言ったでしょう。私たちは友達に...

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