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第127章 老いてなお、目は霞まず

黒田の祖父が帰国したと聞き、橘芹奈の心臓が早鐘を打った。

黒田家の人間は、誰ひとりとして橘芹奈をよく思っていない。「玉の輿狙いの女」「財産目当てで入り込んだ」と見なし、彼女が黒田家の恩恵を少しでも受けないよう、常に目を光らせていたからだ。

誰からも祝福されなかった黒田奏多との結婚式で、唯一心から二人の末永い幸せを願い、多額の御祝儀まで包んでくれたのが、あのお祖父様だった。

芹奈が出産し、分娩室から出た時も、祖父は細やかな気遣いで世話係を手配し、万事において彼女を労ってくれた。

黒田家において、芹奈が唯一尊敬できる人物と言えば、彼をおいて他にいない。

ただ残念なことに、彼は体が弱く、...

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