離婚したい私と、絶対に逃がさない冷徹社長

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第85章 依怙贔屓

加藤和成はとっさに適当な口実を作った。

「西園寺社長からいただいたコーヒー豆なんだけど、俺は普段あまり飲まないから、君たちで飲んでくれ」

上島早紀は彼の言葉をそのまま信じ込み、パッと顔を輝かせた。

「本当ですか? 西園寺社長からの頂き物なら、きっといい物に決まってますね。じゃあ、遠慮なく!」

「ああ、遠慮しないでくれ」

加藤和成はチラリと九条綾に視線をやったが、彼女はパソコンの画面を凝視したままだった。

「それじゃ、仕事に戻ってくれ」

そう言い残し、彼は社長室へと戻っていった。

彼と広庭若菜のいる執務室はそれほど広くはないが、社長室に隣接しており、業務には都合がよかった。

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