姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第89章 婚約を早める

この展開は完全に西園寺希美の予想外だった。彼女は即座に顔を向け、無言のまま目を丸くして好奇心を露わにした。

「まだ調査中だ」

神宮寺蓮はそれ以上の詳細を語ろうとはしなかった。

西園寺希美は眉をひそめた。口の傷が痛まなければ、罵声を浴びせているところだ。

その時、病室のドアが勢いよく開け放たれた。姿が見えるより先に、大声が飛び込んでくる。

「希美! 希美!」

その張り上げた声を聞いただけで、西園寺希美には誰だかすぐに分かった。

入り口に視線を送ると、予想通り橘奏太が顔を出した。

「希美!」

橘奏太の首にはネックピローがぶら下がっており、髪もボサボサだ。身なりを整える余裕もなか...

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