姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第84章 受け身

そうした仕草の後、神宮寺蓮はすぐに西園寺希美の手を放した。

それきり、二人の間に言葉は交わされなかった。

エレベーターが二階に到着し、扉が開く。

だが、西園寺希美は一瞥しただけで、すぐに伏し目がちになった。彼女にとって、二階だろうが三階だろうが大差はない。ここは神宮寺蓮の領域なのだから。

仮に彼女が二階へ逃げたとしても、この男はついてくるだろう。

西園寺希美のその「わきまえ」は、神宮寺蓮を満足させたようだ。彼が鼻で笑うのを、彼女は確かに耳にした。

だが、その嘲笑めいた音以外、会話は生まれなかった。

三階の部屋。

案の定、つい先日二階へ移したばかりの荷物が、そのまま戻されていた...

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