姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第62章 橘賢治

西園寺希美が目の前の男を橘家の人間だと認識したのは、「奏太」という名を聞いた瞬間だった。さっき感じた既視感の正体も、これで腑に落ちた。

橘家には三人の兄弟がいる。

奏太は末っ子で、上の双子の兄たちはそれぞれ政界と財界に身を置いている。

その政界に進んだ方の兄こそが、橘賢治だ。

「橘賢治さん」

「奏太から聞いていましたよ。和彦の会社に来たと。まさかこんなに早くご縁があるとは」

差し出された手は大きく、西園寺希美の手をすっぽりと包み込んだ。

その感触に、ふと神宮寺蓮を思い出す。

神宮寺蓮の手も大きいが、もっと骨ばっていて白く、いかにも貴公子といった手つきだ。

対して橘賢治の手は...

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