姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第213章 すれ違った男

「西園寺さん、お戻りください。外は冷えますので」

スミスは即座に、部屋へ戻るよう促す仕草を見せた。

西園寺希美は、それが単なる口実に過ぎないことを悟っていた。先ほど立ち去った人物はまだ遠くへは行っていないらしく、エレベーターホールの方から微かな物音が聞こえてくる。

彼女がただ視線を向けただけで、スミスは焦ったように立ち塞がり、厳しい口調で告げた。

「西園寺さん! 直ちにお戻りください!」

西園寺希美は視線を戻し、周囲を完全に取り囲むボディガードたちを一瞥してから、目の前に立ちはだかるスミスをじっと見据えた。

「分かったわ」

彼女はいつもの言葉を口にし、小さく溜息をついた。

病...

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