姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第145章 許しを選ぶ

草柳真名は、もう三十分近くも応接室で待ちぼうけを食らっていた。

あのオフィスの扉は固く閉ざされたままだ。秘書たちが出入りしているが、誰一人として草柳真名に視線を向けようとはしない。

顔に貼り付けた笑顔を維持するだけで、全身の力を使い果たしてしまいそうだった。

四十分が過ぎた頃、ようやく救いが現れた。ホテルのテイクアウト袋を提げた黒田洋二が、エレベーターホールから姿を見せたのだ。

草柳真名を見つけると、彼は事務的に挨拶をした。

「草柳さん」

その平坦な口調と、公私を分けたドライな態度でさえ、今の彼女には救いだった。

「黒田秘書」

彼女は弾かれたように立ち上がった。チラリと社長室...

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