姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第171章 調虎離山

西園寺希美は、自身の置かれた立場を西園寺雅史に打ち明けるべきか、幾度となく思い悩んでいた。

だが、彼を失望させることへの恐れが喉元で言葉をせき止め、結局は何も言えぬまま、ただ時間だけが過ぎていく。膠着状態だった。

改札でICカードをタッチして通り抜けた直後、神宮寺蓮からメッセージが届く。

『仕事が終わったら村居大輔の車に乗れ』

彼女は一瞥しただけでスマートフォンの画面を消した。

今日は産科での手続き――母子手帳の交付やカルテの作成を行う予定の日だった。だが、彼女はどうしても足が向かない。

もし正式に手続きをしてしまえば、腹の中の子供に対して、本物の「期待」を抱いてしまう気がしたか...

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