姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第77章 市庁舎

西園寺希美はその言葉を耳にすると、神宮寺蓮を一度だけ振り返り、すぐに背を向けて服を片付け始めた。

「いいえ、そんなことないわ」

神宮寺蓮はすでに上着を脱いでいた。腕に掛けていたそれを、玄関のコートハンガーに無造作に放る。

「そうか? 橘賢治がお前を探していると聞いたが」

彼の情報網が広いことは知っていたが、これほどまでとは。

西園寺希美の手が、一瞬止まった。

彼女は何も答えず、黙々とスーツをクローゼットに戻した。

明日のためにと一番手前に掛けておいたのは、淡い藤色のスカートスーツだ。

神宮寺蓮はその服を知っている。彼自身が部下に命じて買い与えたものだからだ。

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