姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第68章 無頼な振る舞い

西園寺希美が神宮寺蓮の部屋に入ってから、もう五分近くが経過していた。

差し出した書類封筒は、四分前から男の目の前のローテーブルに鎮座したままだ。

ふとテレビに目をやると、いつの時代のものとも知れぬ白黒の骨董品映画が映し出されている。流暢なイタリア語の台詞が、まるで早口言葉のように捲し立てていた。

字幕はない。

イタリア語など解さない希美は、十分もしないうちに睡魔に襲われ始めた。

「神宮寺社長、とりあえず書類だけでも見ていただけませんか? 問題なければサインを……」

瞼を指で支えるようにして、彼女は促した。

部屋に入ってから初めて発した言葉だった。

神宮寺蓮はようやく視線を向け...

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