姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第204章 草柳家の往事

西園寺希美は、神宮寺直人が隠し子であることはとうに知っていた。だから橘奏太の言葉に、これといった反応は示さなかった。

ただ、幼い頃からその名を耳にしていたソフィアが、まさか直人の母親だったとは――その事実だけが、彼女の意表を突いた。

一瞬、希美の表情が凍りついた。

奏太は、彼女が幼い頃から社交界の「隠し子」にまつわる数多の噂話を聞いて育ったことなど知らない。だから彼女の呆然とした顔を見て、単にこのニュースに驚いているのだと解釈した。

「神宮寺直人の出自なんて、今さら秘密でも何でもないさ。なにせ、神宮寺蓮の叔父貴が隠そうともしなかったからな」

橘奏太はそう語りながら、口元を歪めて意地...

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