姉を選んで私を捨てた冷徹社長が、お見合いをした途端に「俺の女だ」と執着してくる件について

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第194章 男

第2章

しかし、西園寺希美がじりじりと後ずさるのと裏腹に、男は昂った様子で懐から一枚の写真を取り出した。

色褪せた、古い写真だ。

そこには、赤子を抱く一人の女性が写っていた。

遠い記憶の彼方にあろうとも、希美がその顔を忘れるはずもなかった。

一瞬の戸惑いの後、男の手から写真を受け取る。被写体の顔をはっきりと認めた瞬間、頭の中で何かが弾けたような衝撃が走った。

写真の女性は、間違いなく彼女の母親だったのだ。心臓が早鐘を打ち、彼女は弾かれたように目の前の中年男を見上げた。

男もまた感極まった様子で、涙声交じりに訴えかけてくる。

「希美ちゃん、私は君のお母さんの友人なんだ! ずっと...

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