第45話

「心は満たされるべき器ではなく、燃やされるべき火である」― プルターク

キヤ

「私がいない間は大人しくしているのよ、いい？あなたから問題を起こさないと期待してるわ」

「大丈夫よ、お兄ちゃん。私がいつ問題を起こしたことがある？」私はクスクス笑いながら、抱擁の中で彼をきつく抱きしめた。アンソニーはガーネットムーンへ旅立つところで、私の心は泣いていた。このときが来ることは分かっていたけど、それでも簡単ではなかった。彼がものすごく恋しくなるだろう。

他のメンバーたちは彼らのアルファにさよならを告げた後、パックハウスの中へ戻り、私たち二人だけが残された。彼が出発する前に二人きりの時間が必...