第162話

「終わりあるものでも、思い出は永遠に残る」- 作者不明

アンソニー

新しい夏の日が始まり、太陽が私の領地を照らし、狼たちの遠吠えが大気に響き渡る。これは私が毎朝楽しみにしていることであり、私の心を喜びで満たしてくれる。幸せは私にとって見知らぬものではなく、日々がより多くの温もりと偉大さと進歩の可能性をもたらしてくれる。

今日はそんな日ではなかった。

ジルコン・ムーンへの攻撃の知らせは私の耳に届いただけでなく、州境を越えて広がった。一人の敵が名高いパックの大部分を破壊するなど前代未聞のことで、最も強い心にも恐怖を植え付けた。このため、各地のアルファたちは脅威が広がる場...