208話

コンスタンティン視点

まさか彼がそんなことをするとは思わなかった。ほんの少し前、ドミニクは何でもないかのように微笑んでいたのに、今は冷たい地面に倒れ、血を流し、浅く不規則な呼吸で胸が上下している。

彼が目の前で崩れ落ちたとき、グレッグは元メイトが俺たちをからかっているだけだと思って鼻で笑ったが、血を見るやいなや、そうではないことに気づいた。

俺の頭の中は混乱している。彼のしたことに対して、ショックと同時に狂おしいほどの感謝を感じている。彼のような相手に対して、この二つの感情が共存するなんてあり得ないはずなのに。ドミニクは俺たちを救った。俺を救ったんだ。彼がそんなことをするとは思いもよらな...