第821話

この部屋、なんだか前に来たことがあるような気がする。実際には一度も見たことがないのに。この開放的な空間とシンプルな家具が気に入っている。派手でも華美でもなく、ごちゃごちゃしていない。ただ、くつろいでリラックスできる、心配事を忘れてラウンジできるような空間。平和で、まるで自分の家のようだ。この壁の中では私は見知らぬ者なのに。

驚くことでもないけれど、これが好きなのは。クラブを素敵にするとき気づいたのは、レクシと私はインテリアの趣味が似ていて、スタイル的にも相性がいいということ。私たちはほとんどのことで言い争うけれど、スタイルの選択については一度も争ったことがない。

熱いお風呂に浸かるのに時間...