第508話

「温めようか？」アリックは私が椅子に座っているところで、髪の後ろに手を滑らせる。私は裸の体にふわふわのローブを羽織っている。首を横に振ると、一時間の湯船につかった後の完全にリラックスした状態で、体がだるく感じる。簡単に交わした何気ない会話と、ベッドの上で彼が私の体の隅々まで乾かしマッサージしてくれた20分間は官能的に天国のようだった。ただ、私が手を彼のタオルの下に潜り込ませようとした時は、二度とも止められたけれど。今は非現実的な感覚で、完全にリラックスし、百パーセント満足して幸せを感じている。

「冷たくても美味しいと思うわ」私は箱を開けて中身を皿に空け、食べ始める。その美味しさに笑みがこぼれ...