第119話

イカロは口笛を吹きながら階段を下りてキッチンへ向かい、そこでヴォディンゴがカウンターに寄りかかってシェフと話しているのを見つけた。

「なぜここにいるんだ？お前の別荘で奥さんと一緒にいるべきじゃないのか？」

「お前と話がしたくて来たんだが、ゾーラとイチャついてる声が聞こえてね。おめでとう。彼女の態度が変わってきたのか？」

彼は思わず微笑みながら頷いた。「今日は良い一日だったよ、ヴォド。彼女と僕は今日を共有したんだ。とても良かった」

「良かった？上で彼女が叫んでた声を聞いた限り、『良かった』じゃすまないな」

彼は友人に険しい視線を投げながら、冷蔵庫からビールを数本取り出した。ゾーラが過去...